Sports Innovation Gassyukuビジネス

浪漫の虎 石坂有紀子賞 石井 宏司

Sports Innovation Gassyukuビジネス

石井 宏司

「海外で武者修行」「高地トレーニング」「sports camp に参加」など、日本のアスリートやプロスポーツ選手は現在、外国に行ってその能力やレベルを高めることをしていることが多い。
その理由は①海外の方が優れた指導者や環境があるから、②環境が良い日本を離れて、異国の地にいくことが精神的にも強くなるから、ということがある。
受け入れる現地としては経済効果が高い。スポーツでもキャンプを受け入れる土地の経済効果は高い。また、実際スポーツ以外でもブロードウェイや、サンフランシスコ、ボストンといった地域は優秀な留学生を多く受けいれることでビジネスが成り立っている。
 しかし、このままでは日本のマネーと人材が海外に流れて行くだけでの一方向になってしまう。海外に実績とナレッジが蓄積されていくままになってしまう。
 それでは、逆に海外の選手が日本でトレーニングキャンプを行うという流れを作ることができないか?ということが本アイディアの発想の元である。
ヒントは山下修作氏がアジアの海外選手を日本のJリーグで受け入れるというところからも得ている。
 なぜ今それができないか?というと、おそらく日本の中に眠る様々な資源を、海外のアスリートやプロスポーツチームに対して魅力的にパッケージ化し提供するプロデュース機関が無いからだと思われる。
 となると、そういったプロデュースをビジネスとして行う会社組織があれば、もっと日本を世界に対して魅力的な海外トレーニング拠点として確立することができるのではないか。そのビジネスをあえて日本に伝統的にある言葉「合宿 Gassyuku」というフレーズを使って考えてみたのが本レポートである。

①本ビジネスの「顧客」

スポーツ強化したい顧客(メイン顧客は海外チーム)
  • 各国のオリンピックチーム(強化チーム)
  • プロアスリート、ないしはプロスポーツチーム

②顧客の想定ニーズ

  • 選手/チームに飛躍的な成長、革新的なレベルアップを図りたい
  • 目指すゴール、成績などに対してベストな布石を打ちたい
  • 自分たちのチームの現状に対してベストな施策を打ちたい

③顧客に提供する価値=他にないユニークな「Gassyuku」価値の提供

1.飛躍的なレベルアップを果たすために必要な「人」「ソフト(ナレッジ)」「ハード」の3要素を、
選手/チームの現状、目指すゴール、戦略、課題に合わせて統合させて提供する

2.「日本」という最適な環境をベースに提供する

なぜ日本が最適なのか?
①四季があり、海も川も山もある。サマースポーツからウィンタースポーツまで幅広く競技環境に適応できる気候、自然環境がある
②政情が安定している、国民のモラルが高く安全である
③どの宗教でも受け入れることができる。輸入が強く、食生活、生活用品を整えやすい
④スポーツを行う上でのハードが整っている(競技場、プール、IT分析機器、医療機器など)※オリンピックでさらに整備される
⑤日本の大企業をスポンサーにできる可能性がある
⑥パフォーマンスを支援する人材が整いつつある(大学、プロコーチなど)
⑦特に敵対国が無いため、擬似国際環境を整えやすい(例えば4~5カ国合同合宿など)
⑧アンチドーピングが進んだ国である

④事業スキーム図

★「ファブレス(工場や大掛かりなオフィス、自社競技場などを持たない仕組み)型」が基本
~マーケティングとコンサルテーションを行う「プロデューサー群」をコアとした企業体
~それ以外の専門家、ソフト、ナレッジ、ハードなどはすべて日本全国からその都度「調達」する
~人材は海外からも招聘できるように、指導者やトレーナーのDBを充実させる
(オリンピッククラスの指導者でも、自国では稼げず、海外に行くケースが多い、例えばハンガリーのボート指導者など。
そういった指導者を日本に呼べるようにする)
~今回の東京オリンピックは最大のアピール機会、今後日本で強化合宿を行おうと思うようにマーケティングを行う→オリンピック後の施設の有効活用
★報酬は3方等分モデルするビジネス
~3分の1はコンサルテーション営業と統合プロデュースを行う SIGI/3分の1は召集される
スペシャルチームの報酬/3分の1は合宿の場の提供エリアに
★記載に無い付随ビジネス・サービスとしては、
・各国チームに対して日本企業スポンサーの紹介(成功報酬型で紹介料金を)
・プロジェクトにインターンとして学生やスポーツ業界志望社会人が有料で参加できるようにする(インターンを通じた成長機会の提供)