朝トレでゴールデンエイジの運動能力と脳力アップ

浪漫の虎 山谷拓志賞 水谷隆之

『ジャパンメイドをアジアに発信! 「アジアJリーグチャンネル」』

水谷隆之

事業の目的と背景:現在の小学生のスポーツ環境は、学校体育とサッカーや野球に代表される地域スポーツのクラブ活動がほぼで、一つのスポーツ競技に集中しており、能力が偏重傾向にあり、身体能力のバランスが取れていないのが現状。また高学年になると受験を控え、塾通いのためにクラブ活動を休部する子供たちも多く、成長著しいこの時期において、運動する機会を失っている傾向にあり、更にバランスが取れなくなってきている。特に都心の子供たちには、スポーツをする空間、スポーツをする時間、スポーツをする仲間という、三つの間が不足しているため、機会の損失となっている。
 小学3年生から6年生くらいまでは、個人差があるものの、ゴールデンエイジといわれ、運動能力、学習脳力も一気に向上できる時期である。
 人間の成長として大事なこの時期に、三つの間を提供し、さまざまなスポーツにチャレンジすることで、個々の能力の向上につなげる。さらに、BOKSプログラム*に見るように、勉強の前の軽度なスポーツは脳力向上への効果もあり、集中力をたかめ、学習効果にも寄与できるといわれている。
 私は、子どもの通う小学校にてボランティアとして、「朝トレ」と呼ばれる活動をサポートしていている。BOKSプログラムでいう「ゼロ時間目の授業」として、登校前の小学校の校庭を利用して、サッカーやリレーというスポーツを行っている。スポーツをする空間、時間の確保をし、体を動かしたい子どもたちは、自己責任のもと、自主的に参加し、スポーツをする仲間を共有している。
 この活動は子供たちにはもちろんのこと、保護者からは子供の運動能力の向上、学校側からは、参加している児童の授業時間中の集中力がると、おおむね好評である。
 この活動は健康的な心と身体、仲間を大切にするという健康的な社会性も身に着けることができる。

事業の内容

朝トレを全国の小学校に普及させ、ゴールデンエイジ世代の運動能力と、学習脳力の向上に寄与させ、健康的な社会づくりを行う。

事業の展開方法

各自治体、各小学校への運動における脳力への波及効果などの事例紹介、モデルケース紹介、サポート企業の募集、指導者の育成、指導のガイドライン作成、指導ビデオの作成、配布、モデル校の選定、実施、検証など

具体的な指導内容

運動メニューにとらわれることなく、子どもたちが飽きずに、積極的に参加できるスポーツ競技の基礎から応用編を行い、一つのスポーツにこだわることなく、シーズンによって種目を変えることによって、子どもたちにいろんなスポーツを経験させる。
リレーなどは、運動会などでは、足の速い子供しか参加できないが、朝トレでは毎回チーム編成を変えることで、参加者全員が主役になることができ、仲間意識も生まれる。

留意事項

実施は朝の時間帯、校庭や体育館を使用して行うが、笛などは学校近隣への配慮から使用しないのが望ましい。運動中のけがなどは、学校の体育の延長戦上として保健室の協力も必要。子どもの参加にあたっては、保護者の同意が必要。また学校行事の関係もあり、学校側とのスケジュールの共有も必要となる。

本事業のビジネスモデルキャンパス

価値提案:ゴールデンエイジ世代の子供たちの運動能力、脳力の向上。健康的な心と体、社会づくり、スポーツのための時間、空間、仲間の創造、地域力向上
パートナー:ゴールデンエイジの子どもたち、指導者、サポート企業、自治体、小学校、保護者
主要活動:さまざまなスポーツ競技の指導、指導者の育成、サポート
リソース:各種競技経験者、保護者、地域のスポーツ競技チームの指導者
チャネル:指導ガイドラインの作成および公開、スポーツ用品店
コスト構造:サポート企業、自治体からの補助金
*BOKSプログラムとは、幼稚園や学校の授業が始まる前におこなうアメリカ生まれの運動プログラムです。
年齢や運動能力にかかわらず、楽しく運動できるというのが特徴です。 アメリカでは「ゼロ時間目のプログラム」として展開され、その日の授業が始まる前に運動することで子どもの脳の活性化を促し、学力が身につきやすい状態にすることを目的に、その効果を上げています。(http://boks.jp/より引用)