浪漫の虎 【早野忠昭賞】

浪漫の虎 【早野忠昭賞】 高橋 波奈子

「もしも、小学生が東京マラソンに参加したら」
-小学生×東京マラソンチャレンジプログラム―

【発想の動機】

勇者、早野忠昭氏の講義で、東京マラソンの参加者の年齢分布(図1)から、若年層の参加率が低く、そこにまだまだチャンスがあるのではないか。鬼グループのディスカッションで話し合った内容をブラッシュアップしました。
マラソンが嫌い⇒学校体育の辛いマラソンのイメージ。
もしも、小学生の時に、スポーツに「やる」だけでない楽しみや達成感を知ったら!?スポーツのビジネスのしくみを知ることができたら!?スポーツで、スポーツ選手なる!だけではない様々な可能性を夢見ることができるのではないか。スポーツが一部の人の楽しみではなく、大衆化する。スポーツが文化となり、産業となる世界ができるのではないかと考える。

(図1)
20代…12.5%
30代…29%
40代…33%
50代…17.26%
60代…6.2%

【内容】

スポーツの価値=人を育てる、人をつなぐ(する、見る(応援)、支える)
小学校高学年(5、6年生)の総合的学習時間に東京マラソン参加プログラムを取り入れる。学校と(一財)東京マラソン財団とスポンサー企業の協働事業。

資料:総合的な学習の時間
1.自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
2.学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにすること。
3.各教科、道徳及び特別活動で身に付けた知識や技能等を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにすること。

「スポーツの「DO」だけではない楽しみを!スポーツで誰もが活躍できる経験を!」

参加児童は東京マラソンへの取り組みを「走る喜び」「支える誇り」「応援する楽しみ」から、選択をする。運動が得意な子は、「走る喜び」を選択すればよい、運動が苦手な子は、支える誇りや応援する楽しみを選択すればよい。走る距離も、東京マラソンで何をするか、目標も各自が設定する。

「自発的に考え、目標を設定し、達成する経験を!」

学習テーマは「東京マラソンで自分のために、人のために、そして楽しむ!」とし、自ら目標設定をし、達成のためのプログラムを作成する。教員は、その児童にふさわしい目標の設定であるか、取組みの過程を注意深く観察し、手助けをする。プログラムの内容と達成度は成果として評価される。成績という形での評価のもよいが、できれば「東京マラソン賞」や、「スポンサー賞」など社会から評価される機会を設けたい。

「スポーツビジネスを子供のときから知っていることの意義!」←ココ大事。

東京マラソンからスポーツビジネスのしくみを学ぶ。「勇者の鼓動!小学生バージョン」というイメージである。欧米の小学校では、株取引の模擬授業があると聞いたことがある。子供の時にプロフェッショナル(東京マラソンに携わるプロフェッショナル)と出会う、社会、経済に触れる経験がその子供にとって、また日本のスポーツ産業にとって、日本社会にとって可能性を広げることになると考える。スポーツでお金儲けNGという風潮を覆す。日本でスポーツがほかの業種同様にビジネスが成り立つことが、子供たちの可能性を広げる。スポーツで夢を見られるのは、スポーツ選手だけではない。
「東京マラソンチャレンジ」プログラム(案)
#1 東京マラソンを学ぶ⇒東京マラソンとは。早野忠昭氏のお話。
#2 走る喜びを学ぶ⇒マラソン選手などの話。
#3 支える誇りを学ぶ⇒ボランティアの仕事を話
#4 応援する楽しみ学ぶ⇒チアリーダーの方などの話
#5 スポーツビジネスを学ぶ⇒スポンサー企業の東京マラソンへの取り組みの話

#6~
●「走る」「支える」「応援」のコースに分かれて、おのおのの目標やプログラムを作成する。
●キロ完走する&トレーニングでもOK。コスチュームで走る、衣装を作るでもOK。応援ダンスチームを作って練習するでもOK。校内や家族向け東京マラソンのPRパンフレットを作るでもOK。走る人にいい食事の研究でもOK。ボランティアに調べるでもOK
●東京マラソン当日に大人と同じ舞台で、「走る」「支える」「応援」を実践する。 ※東京マラソンのコース内に小学生チャレンジコース(10キロ区間)を作ってもらう。2キロごとにゴールがある。

【ビジネスの可能性】

「東京マラソンチャレンジプログラム」の社会的意義に協賛して頂く。
企業のメリットは、東京マラソンで層の薄かった子ども、ファミリー層に訴求できる。子どものころに使った商品は大人になっても使い続ける。(例)マンダムの部活協賛例えば子どもの時にマクドナルドの社会貢献事業を知ったら、プラスイメージは大人になっても続くのではないか。その親も企業のイメージが変わるのではないか。スポーツ×教育の観点で、行政やtotoの助成金を得るのも、事業資金を得る一つの方法と考える。
子どもは、未来の産業の担い手、未来の消費者である。東京マラソンによい印象もつ子どもたちが将来の東京マラソンを支える。

【社会的意義】

●スポーツを「する」だけではない、楽しさや達成感を経験する機会や可能性を創出。
●「学校体育」からの脱却。スポーツの楽しさ!そしてその価値を伝える!
●自ら考え、判断し、目的を達成できる社会的な人間を育て、輩出する!
●スポーツをビジネスの観点から考えられる人間を育て、輩出する!